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広島商―智弁和歌山 二回表、智弁和歌山先発の渡辺=滝沢美穂子撮影
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 昨秋の明治神宮大会で準優勝した強豪が相手だったが、ピンチをほぼつくらずに完勝した。

 この日を含め3試合で先制点を挙げた打線。すべて先発した渡辺颯人投手(3年)は「助かっている。目の前の打者に集中して向き合える」と感謝した。

 中谷仁監督から教わった「キックチェンジ」という球種を覚え、2月ごろから投げ始めた。「チェンジアップと同じような球だけど、ちょっと球速が速い」。これまでのスライダー、カーブに加えた変化球が、投球の幅を広げた。

 チームには、速球派の宮口龍斗投手(3年)もいる。ライバル校にも150キロを超える速球が武器の投手もいる。

 「うらやましいと思ったことはあるけれど、これが僕の投げ方。コントロールには自信がある」。相手打者に的を絞らせず、この試合で連打を打たれることがなかった。

 連投に「疲れはない」。相手打者が打席で構えた直後に、テンポよく投げ込んだ。「守備からリズムをつかんで攻撃につなげることを意識した」

 唯一の危機ともいえる八回も同様だった。三振を挟んで安打を打たれ、その後暴投で2死二、三塁。そこでも同じリズムで投げ、後続を内野ゴロに打ち取った。瞬間、ガッツポーズをして喜んだ。

 2回戦では4イニングで2失点を喫した。「前の試合では浮足立っていると感じた。きょうは下半身を意識した」。すぐに修正する力も、好投につながっている。

 28日は準決勝。浦和実が相手だ。

 ただ、「ここからが勝負と思っている。勝つことだけを考えて、次に備えたい」。

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